澁澤賞とは
澁澤元治
(しぶさわ もとじ)
工学博士 / 正二位勲一等瑞宝章 /
元日本学士院会員
澁澤賞は、故澁澤元治博士が昭和30年に文化功労者として表彰を受けられた栄誉を記念するため、昭和31年に設けられたものです。
本賞は、電気保安に傾注された博士の意を体して、広く電気保安に優れた業績を上げた方々に毎年贈られており、民間で唯一の電気保安関係表彰として各界より認められている権威ある賞です。
故澁澤元治博士は、明治39年に逓信省に入られてから18年間にわたる在任中、電気試験所第1部長、同第3部長、電気局技術課長を歴任されました。
この間、「電気事業法」および現在の「電気設備技術基準」の前身である「電気工作物規程」の制定、また電気主任技術者制度の改革に尽力されるなど、電気保安体制の確立に大きな功績を残されました。
一方、電気工学の教育分野におきましても、大正7年に東京帝国大学工学部電気工学科の講師となられたのをはじめとして、同教授、工学部長を歴任し、後に名古屋帝国大学の総長として同大学の創設に奔走されるなど、28年間にわたり電気工学の教育に半生を捧げられました。
昭和30年11月3日、永年にわたり我が国の電気事業に貢献されたご功績により文化功労者として名誉ある表彰をお受けになりました。
この博士のご栄誉をお祝いするとともに、永く記念するために、有志の方々により澁澤元治博士文化功労賞受賞記念事業委員会(略称:澁澤委員会)が設立され、昭和31年から澁澤賞表彰が行われるようになりました。
当時、澁澤賞基金として関係方面から浄財が寄せられ、その管理と運営は日本電気協会があたることになり、電気保安について有効な機械・器具の発明工夫をされた方、また、永年にわたり電気保安の確保に優れた貢献をされた方の顕彰に努めております。
受賞者の発表は、毎年11月3日の文化の日に行われ、同月下旬に挙行される贈呈式において、賞状を受賞者にお贈りしております。
©︎The Japan Electric Association.